血圧の値はどのくらいがよいのか
世界保健機関(WHO)によると、適切な血圧値とは、最大血圧は120mmHg以下、最小血圧は80mmHg以下になります。もし、最大血圧が140mmHg以上または最小血圧が90mmHg以上であれば、高血圧とされます。
身長や体重と同様に、誰でも自分の血圧を知っておく必要があります。血圧と寿命は密接な関係があり、至適血圧の人は長生きができるからです。
なぜ冬は高血圧が問題となるのか
人間のからだは寒さにさらされると、交感神経が緊張して血管収縮を起こし、血圧が上がります。血圧が高い人ほど、その上昇度が大きく、それが脳心事故の発症につながるのです。
血圧の高い人は、次のような状況に注意してください。
- 暖かな屋内から、寒風が吹く戸外に出たとき
- 入浴時、寒い脱衣場で裸になるとき
- 酒を飲み過ぎたとき
- 宴会が続いたとき
- 塩分を摂り過ぎたとき
自分でできる血圧管理
最近では、家庭でも簡単に血圧が測れるようになりました。家庭用の血圧計は、デパートや電気器具店でも容易に入手でき、価格は1万円くらいです。
今では家庭血圧が高血圧管理に有効なことが、国際的にひろく認められています。WHOでも家庭での血圧測定を積極的にすすめています。
血圧値は、脈拍数と同じように時々刻々変動しています。仕事、運動、食事、排便、入浴など、日常生活で血圧は常に動いているのです。血圧は一定の時刻に測定して、それを基準とすることが望まれます。家庭での血圧測定では、以下の点に注意してください。
- 上腕で測定する
- 朝、起床後1時間以内、食前、降圧薬服用前に測る
- 安静座位で2回測る
- 測定値は記録して、診療時に医師に提示する
- 測定前は、飲酒・喫煙は避ける
- 休日よりも勤務日の血圧を基準にする
- 血圧値の高低で薬の服用を勝手に変えず、必ず医師に相談する
これからの医療は、医師と患者が情報を共有し、相互の信頼の上に立った共同作業としてすすめられることになるでしょう。家庭血圧は、その大事な一歩となるものです。
高血圧治療ガイドライン
日本高血圧学会が中心となり高血圧治療のガイドラインが作成され、2000年7月に発表されました。基本的には99年のWHOのガイドラインに従ったものですが、なるべく日本人の実態に即したものになるように、高齢者の高血圧治療に重点のひとつをおいています。
このガイドラインはわが国をはじめとする世界中の研究成果に基づいて作成されたもので、数多くの実際の症例で確かめられた証拠に基づくものです。